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vol.9 RetailNext × zuora | 入居企業の声
リテールネクスト・ジャパン Zuora Japan 社長 関根 正浩氏 代表執行役社長 桑野 順一郎氏

※インタビュー当時の役職

早く、結果を出す。そのためのEGG JAPAN。

Zuora Japanの桑野順一郎さんと、リテールネクスト・ジャパンの関根正浩さん。
ともに、これまで日本になかったサービスを短期間で日本に根づかせるべく、奮闘中です。“開拓者”ならではの苦労や、新しいビジネスで描く夢などについて、2人が拠点とする丸の内の「EGG JAPAN」で、語り合っていただきました。

きめ細やかな支援体制と信頼性の高さ

ちなみに現在の社員数は?

桑野:

私は外資系IT企業一筋で30年、働いてきました。この15年は主に、米国企業の日本法人立ち上げを手がけています。前職時代、米Zuoraの経営陣と会って感銘を受け、日本法人立ち上げを手がけることになりました。

関根:

私も〝IT業界一筋〟です。大学卒業後にプログラマーとしてスタートしてSE、プリセールスのエンジニア、事業開発などを経験した後、米国企業の日本法人代表を務めました。その後、SE時代の上司の紹介で、日本法人の代表を探していた米リテールネクストの経営陣と出会いました。

桑野:

関根さんも私も、いわば「縁」ですよね。

桑野:

2つあって、1つは信用。もう1つは環境です。会社を立ち上げた当初は、当社のことは誰も知りません。 しかしオフィスが丸の内、それも新丸ビルにあり、三菱地所が運営しているとなると、それだけで一気に信用度はアップします。実際、名刺交換をすると皆さん、「(スタートアップの会社のオフィスが)新丸ビルですか!」と驚かれる。環境について言うと、まずロケーションが最高です。そして会議室や設備など、およそ「会社」に必要なものは何でも揃っている。また弁護士や会計士といった専門家や潜在顧客の紹介をはじめ、企業の成長には欠かせない支援体制が、EGG JAPANにはあります。

関根:

極論すると〝身ひとつ〟で入っても、その日から本格的にビジネスができるのがEGG JAPANなんです。 リテールネクスト・ジャパンは最初、私1人で始めました。しかし、ここなら会議室などの必要な設備が揃っているので、お客さんもすぐに呼べる。オフィス環境だけをとってもメリットは明白です。そして丸の内はビジネス街であり、日本経済の〝中心地〟と言える。
ビジネスを手がけるうえで、信頼性は重要です。オフィスが丸の内にあることには、助けられています。

桑野:

いろいろありますが、最短で結果が求められるという点は大きい。「他の人に打診したら3年かかると言われた。それでは厳しいので、1~2年でビジネスを軌道に乗せてくれ」という本社の期待値にいかにして応えるか。

関根:

採用も苦労するポイントですよね。創業当初は会社の知名度がないので、優秀な方に出会うのに時間がかかります。

桑野:

その悩みは当社も同じです。大企業と違い、スタートアップの企業は1人で何でも行わないといけない。求められる〝優秀さ〟が違ってきます。関根さんは、どうやって克服しましたか?

関根:

会社の露出を増やすのは、1つの有効な手段だと思っています。お客様のご協力を得て「ユーザー事例」として発表させていただいたり、セミナーに登壇させていただいたり。結果、潜在顧客と〝未来の社員〟、同時にアピールできるんですよね。

桑野:

10人です。

関根:

当社は8人です。最初は私1人でしたが半年ごとに倍増して、今8人。

桑野

うちも同じような増え方をしています。〝身ひとつ〟で入れて、会社の成長に合わせてオフィススペースを広げられるのも、EGG JAPANの利点ですよね。〝引っ越し〟をせずに利便性を保ったまま会社の規模を大きくしていけます。

さらなる飛躍を目指し施設をフル活用する

冒頭で桑野さんが「縁」とおっしゃいましたが、入居企業向けの懇親会を開催するなど、EGG JAPANも「縁づくり」に力を入れています。お二人は入居がほぼ同じ時期なのですが、面識はありましたか?

桑野:

関根さんがユーザー事例のお話をされましたが、名のあるお客様がつくことは重要です。まず、有力な企業5社を獲得すること。 これがブレークスルーにつながります。

関根:

ひと口に「5社」と言いますが、日本ではまだ知名度の高くない会社なので、なかなか難しいですよね。 当社の場合は幸運にもお客様とパートナー様に恵まれて達成できましたが。

桑野:

そもそも日本語版の製品はなく、マニュアルも契約書も英語。 そのような制約の中で始めるわけで、本当にゼロからのスタートですよ(笑)。

関根:

当社は法人もなかった(笑)。

桑野:

もちろん。現に三菱グループの企業様を〝見込み客〟としてご紹介いただいたりもしています。そんなEGG JAPANならではのネットワークと空間を活用したイベントも、今後は開催していきたいですね。

関根:

私も同感です。ここまで十分な支援をいただいていますが、まだまだEGG JAPANをフル活用できていない。今後はイベントやユーザー会を、もっと開催していきます。以前イベントを1度、開催したのですが、事前準備から集客まで、とても力になっていただきました。三菱グループの企業様やお取引先など、今後につながる方々をお呼びいただき、非常にありがたかったです。

関根:

階段でスレ違いましたよね。

桑野:

こうして話をするのは、実は初めてです(笑)。常に〝フル回転〟で働いていますから、こういう(対談)企画でもないかぎり、なかなか知り合えないですね。今後は私たちも、他の入居企業さんとも縁を作りにいかないといけませんね(笑)。

“ホワイトスペース”はまだまだある!

最後に、読者へのメッセージを。

桑野:

商品を「売る」のではなく、サービスとして「利用してもらう」ことで収益を上げるサブスクリプションモデルへの移行は、時代の必然です。今は自動車が売れない時代だと言われているように、これからモノが売れない時代が本格的に到来します。全産業のなかでも製造業が目立って多い日本にとっては、深刻な問題です。日本の製造業が生き残るにはIoTやデジタル・トランスフォーメーションという取り組みが必要です。そのなかで私たちがすべきことは、2つあります。1つは既にサブスクリプションビジネスを始めている会社の収益向上の支援。もう1つは、従来型のビジネスモデルの企業に対するサブスクリプションへの方向転換のお手伝い。この2つを通して、日本企業の力になりたいですね。

関根:

当社のビジネスは、リアル店舗の分析を通して売上を伸ばすこと。私達は日本中にあるリアル店舗の売上げアップに貢献したいと考えています。そういう意味では日本は〝ホワイトスペースだらけ〟です。まだまだお会いすることすらできていないリテーラー(小売業者)さんもたくさんいらっしゃいますから…。 一方で既に導入をして効果を実感してくださっているお客様に対しても、まだまだ〝積み上げ〟はできる。ですからしばらくは、リテールネクストのサービスを日本のリテーラーさんに使っていただきいて、売り上げを伸ばしていただくことに集中したいと考えています。

桑野:

自分の中に築いた〝資産〟で将来の生き方が決まってきます。今という瞬間が、〝未来〟に備えるための投資であることを意識して、仕事をすることが大事だと思います。

関根:

長年、同じ仕事をしていると、「分かったような気」になってしまいます。時にはプライベートで新しいことに挑戦して、〝できない自分〟を実感することが、成長していくうえで大切だと思います。

本内容は日経ビジネスアソシエ2017年5月号内から抜粋し、再編集したものです。
無断転載を禁止します。

関根 正浩氏

プログラマーとしてキャリアをスタート。SAP South East Asiaで新規事業のチャネル開発を手がけた後、サービスソース・ジャパン社長就任。2015年より、リテールネクストの日本ビジネス立ち上げに携わる。

店舗を訪れる顧客(見込み客含む)の属性や、滞在時間をはじめとする店内での行動パターンなど、小売企業の実店舗における各種データを計測し、売り上げ向上に必要な施策の提示などを行う米リテールネクストの日本法人。2015年設立。

https://retailnext.net/ja/home-jp/

桑野 順一郎氏

外資系IT企業でマネジメントを歴任した後、キリバ・ジャパンをはじめとする多くの外資系IT企業で代表として日本ビジネスの立ち上げに従事。2015年2月、米Zuora社の日本進出に伴い、日本法人の社長に就任。

従来のモノの販売(所有)からサブスクリプション(利用)へのビジネスモデル変革と収益向上を支援するためのプラットフォームを提供するクラウドベンダー、米Zuora社の日本法人。2015年設立。

https://jp.zuora.com/

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